キャパになれなかったカメラマン

先日第40回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しました平敷安常氏著の
『キャパになれなかったカメラマン―ベトナム戦争の語り部たち(上下)』

上下巻合計1000ページと久々に読み応えのある本でしたが、ベトナム戦争好きなら興味深い内容なのでスラスラ読めるはずです。
1966年から1975年までABCテレビのカメラマンとしてベトナム戦争の報道に携わった氏の回顧録なのですが、
岡村 昭彦、沢田 教一、 酒井 淑夫、一ノ瀬 泰造など著名な戦場カメラマンが登場し
今までの伝記や記録などからは伺えなかった裏が克明に描かれています。
戦場カメラマンとしての姿勢や報道に対する信念など 深く感銘を受けました。

撮ったものを編集し、本国に送るまで使われるか使われないか判らないそうなのですが、
安易にバンバン物(戦闘シーン)だけを撮らず 一人の兵士にターゲットを絞り、
人間性や戦争の裏にある物を 伝えようとする記者の考えなど非常に興味深い点でした。

軍装だけやっていると見落としがちですが、戦場カメラマンと言うのは大変な仕事ですよね。
ベトベトにも参加して頂いている戦場カメラマン専門のITHACAさん という方がいます。
デジカメも使うのですが、基本ニコンF2とライカM4-2で撮影された写真は大変味のある作品になっています。


もう一人SATOと言う集合写真時にお馴染みのカメラマンがいますが、彼はベトナム戦争には全く興味がなく
カメラマンとしてベトベトに参加してきたパターンなんです。
戦争に興味がないですから初めて来た時などナイロンのジャンパーに長靴でしたから利根川に埋めようかと思ったほどですw
「カメラマンなんだから良いじゃないですか」とその時は言っていました。ファインダーを通しての視界ならそれでも良いですが
参加してる側からみたら、戦場にそぐわない格好でデジカメもってウロウロしてる人は、邪魔なんですよね。
今では半強制的に鉄ヘルにユーティリティー、ARVNバックと一応ちゃんとした格好を揃えましたがww
カメラマンだから良いだろうという良い訳はヒストリカルイベントの中では通じません。
ITHACAさんのように銀板で撮影して下さいとまでは思いませんが、可能な限り当時の雰囲気には近づけて欲しいと思います。

文中にも平敷氏がベトナムでは自分だけなく周囲の(撮影対象)ためにも兵士と同じ装備をしていたと言う記述があります。
逆にカンボジアでは兵士と間違われると殺されるので白いシャツなど報道の人間だとわかる服を着用していたそうです。
カメラマンだから殺されないだろうではないんですね。戦場(前線)に出るという事は兵士以上に危険な場面に遭遇する訳です。
銃や弾を入れるスペースがあるならフィルムや予備の機材を入れたそうですから、身を守るものなど何もない状態で
弾がピュンピュン飛び交う中、戦闘の最前まで進まないと良い画は撮れないのですから、その勇気は尊敬します。
スチールカメラマンなら良いとこカメラ2,3台ですが、平敷氏の場合通常、三脚立てて使用する16ミリフィルムを
改造して肩に乗せて撮影したとありますので、その当時の苦労は生半可な物ではなかったと思われます。

ベトベトでは無線を使う場合実際にPRC(ガワだけでも可)を背負っていないと無線は使えない事にしています。
やはり当時の雰囲気や重さを実感したいからなんです。
同じように第9戦からムービーカメラは当時風や形状がわからないようにするなど工夫して下さい。と改めました。
ショルダータイプの16ミリ風カメラや(地獄の黙示録やフルメタルジャケットでも撮影風景は出てきますよね)
L型ライトに入れるも良し、銃の体側にくくり付けるのでも良いと思います。やるなら工夫をして欲しいんですよね。

現在市販されている民生品のホームビデオやデジカメは小さいし便利です。
でもベトベトに集まる方々は動きやすいからと言ってタクティカルベストを身に付けたり、取り回しやすいからと言ってM733を
持ってくる人はいないと思います。
何故、使いにくい56装備で、重たいM1ヘルメット被って、目立つブラックパジャマでやっているのでしょう。
ベトナム戦争のヒストリカルゲームだからですよね。フィールドに入る以上はカメラと言えども戦場の一部なので
面倒とは思いますが、カメラに関する規制を付け加えさせて頂きました。
『キャパになれなかったカメラマン―ベトナム戦争の語り部たち(上下)』 は、
ヒストリカルイベントでカメラやムービーを撮影する方には是非一読して頂きたい作品です。

2009年07月24日 Posted by ベトベト実行委員会  at 15:12 │Comments(3)TrackBack(0)ベトベトした情報

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この記事へのコメント
×戦場カメラマン専門のITHACAさん という方がいます。



○戦場カメラマン専門のITHACAさん という変態がいます。

この方が正確ですwww
Posted by トヨ at 2009年07月24日 23:19
誰がドヘンタイだコラw

自分ではそんな大したことはやってないつもりだったので面はゆいものがありますが、より一層の精進で変態道を極めたいと思いますw

年代考証的にはニコンはFかニコマートFTn以前・ライカはM3かM2以前の機種が正しいのですが、使い勝手や金銭面での妥協でF2とM4-2を使っています。
一ノ瀬泰造の有名な被弾カメラはF2なので、ギリギリOKってかんじですか。
Posted by IHACA at 2009年07月24日 23:34
>トヨさん
そうでした忘れてましたwwww

>ITHACAさん
十分、変態だと思いますww
“戦場カメラマン”ではなく“フィールドでカメラ持ってる人”が多いので
やるなら変態と言われるくらい極めて欲しいですよねww
Posted by ベトベト実行委員会ベトベト実行委員会 at 2009年07月25日 12:44
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